大判例

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東京高等裁判所 昭和43年(ネ)2463号 判決

次に本件予備的請求について考察すると、控訴人は、従前よりの請求では、本件第一建物を所有すると主張し、これに基づき、被控訴人に対し、同建物の所有権保存登記の抹消登記手続を求め、かつ、同建物の使用貸借契約の終了を原因として、その明渡を求め、予備的請求では、同建物が被控訴人の所有であることを前提として、同建物の敷地が控訴人の所有であり、これにつき使用貸借契約が成立したとし、その終了を原因として、被控訴人に対し、建物の収去、土地の明渡を求めるものである。

してみると、両請求は、同一の生活関係に基因する同種の利益を目的とするものといえるから、請求の基礎に変更があるとはいえないとみるのが相当である。

しかしひるがえつて考えてみると、控訴人は記録上明白なように原審に出訴以来三年余十数回の口頭弁論期日において専ら本件第一建物が控訴人の所有であるとして十数人の証人尋問を求めた上控訴審で、はじめて予備的請求を追加したのである。しかも、予備的請求については今後、事実を整理し、証拠を取調べる必要があり、これらの手続を了するまでには、なお、かなりの日子を要するものとみなければならない。かような事情のもとにおいて予備的請求を追加することは、民事訴訟法第二三二条第一項但書にいわゆる、請求の変更によつて、著しく訴訟手続を遅滞せしむべき場合にあたるものというのが相当である。したがつて、本件予備的請求の追加による請求の変更は、許されないものといわなければならない。

(古関 三和田 栗山)

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